一般社団法人日本反訳士協会は,裁判で音声データを証拠の資料として提出する資料の作成に関する専門的を業務を行っています。共に,音声データの反訳<テープ起こし>の専門技術者を志す方に反訳士の職名資格取得通信講座の受講も受け付けています。
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反訳 証拠資料の作成

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✴勝機を得る極意

 天正14年(1586年)記録「板倉政要」の著名で法曹界では知られている名代の京都所司代の名判事板倉重宗の人となりを当職の叔父(元東京高裁判事)から聞く機会があった。

 その名判事の板倉重宗(裁判官)は訴えを聞くたびについ立の障子を自分の座の前に立て,裁かれる人,裁く人の顔を直接見ないようにしていた。そして,そして障子の内に茶臼を置き心しずかに葉茶をひき(葉茶を茶臼(抹茶をつくる石製道具)で抹茶にする)ながら,民の訴えを聞いたという。障子を隔て相手の顔を見ない理由は人の顔は美醜さまざまで,一目見ても好きになれる人もいれば,何となく気に入らない顔つきの人もいる。

 容姿だけで,その人が正しい人か,良くない人か,話す言葉に理屈が通っているか,間違った物言いかは簡単には仕分けできない。そこで,心を澄ませ,深く,広く,事実関係の道理を考えてようやく分かることで,その為に人の姿を一見して感じた印象は代えって害になると言う重宗の考えを聞いた。
 
 さらに,茶をひきながら訴えを聞く,心が平静なときにひいた茶は細かにひけむらがない。
その,ひいた茶の具合を見て,目が荒く,むらがあるならば心持が乱れ落ち着きのない証拠なのだと判事としての平静心を知る茶ひきの心構えも参考になる話だ。さらに,今日の裁判で障子を立て法廷で茶をひくことは夢物語ですが,法廷という空間に立ち入った時,人は平静心を如何に保てるかが重要だということを板倉重宗の逸話で法廷の心構えを感じ取ることができる。
 
 

✴証拠

 利害が激しく衝突して対立,裁判所に裁定を委ねた場合は,裁判所が上位の位置で裁判は起こされます。そして,訴訟になったら当事者同士の直接交渉はやめ,それぞれが裁判所に事実を申し立てて主張し合い,争いの基となった事実の「存在するのか?」「存在しないか?」存否の裁定を受ける為に証拠の提示が必然となる。

そこで証拠とは,

  • 他人が事実だと話した供述(述べた証拠
  • 人以外の物による物証(検証物・文書など、物の存在・形態・状況
  • 事実の存在があるかないかの存否の直接証明(証明を必要とする)
  • 他の物を間に置いて物事が行われた間接証拠(間接的に証明する
  • 裁判官や検察官の尋問に事実と答えた供述証拠(事実を述べる
  • 人が話した内容の非供述証拠など,

数々の証拠の中で,音声,動画情報には,当事者が直接話した状況や有形力,或いは間接情報が混在する重要証拠情報なのです。

 

✴録音会話の反訳書

 近年,音声反訳や動画反訳をして証拠資料を作成,裁判で証拠として提出する機会が増大している。それには電子機器の目覚ましい進歩が大きく貢献している。場所を選ばす手軽にメモ代わりに放送並みの品質で会話や動画が記録でき,記録された情報を反訳,文字に起こす反訳技術の進歩が証拠資料として活かせる時代になった。

 当事者達の直の会話を文字に起こし,証拠の資料として提出するには,音声会話のすべてと環境音を洩れることなく,忠実に文字に整えることです。その文字入力作業では約束事が有ります。都合よく「思い込み,想像,創作,改変」は法的に許されません。

 さらに重要なことでは,録音承諾が得られていない場合やプライバーシー権,名誉毀損に相当する匿名化は疎かにできないことです。そして,書面は公用・行政文用語法に準じて反訳書に整えるのは提出者の責務なのです。

 整えられた反訳書は裁定を受ける重要資料の位置づけです。ですから,根拠となる情報を明解に指し示す書類の作成技法は大変に重要なのです。

  • 録音録画年月日
  • 録音ボタンを押した時間
  • 録音停止ボタンを押した時間
  • 録音住所地
  • 録音場所
  • 話者名(職名,立場等)
  • 会話内容(逐語反訳)

などを,会話証拠時刻をタイムライン「00時,00分,00秒」で書類の「ページ番号」書面の「行番号」で証拠と主張する会話を明確に指し示すのが音声反訳の反訳書なのです。

 

✴タイムライン

 膨大な証拠会話の録音情報を反訳し,起こされた文字を反訳書に1秒単位で時系列にタイムラインとして表記することは証拠の明確を示す大切な表記なのです。

 音声反訳で,録音された会話時間が40分程度を反訳すると,約43,000の文字数で,全ページでは100ページでさらに,刻々と過ぎていく会話を1秒単位の時刻で証拠会話を反訳した会話行数は約1,800行にもなるのです。

会話時刻,そして会話内容,さらに,行番号の表記で,素早い証拠主張と確認と審理ができ裁判の進行に大きく役立つのが反訳書作成のプロが作成する公用文書式の反訳書なのです。

 

✴反訳書と音源の提出

 双方が主張する権利や利害を明確に示す重要資料の反訳書と音源は,裁定を下す裁判長・司法委員・正しいと主張を代弁する代理人のそれぞれに同一反訳書と同一反訳音源を一式とし提出,審理を受けるのが裁判証拠資料の反訳なのです。

※民法第148条の要約抜粋,
「 写真又は録音テープ等の証拠を提出するとき、録音、録画等の対象で証拠となる日時及び場所を明らかにする。」と有ります。

※したがって,証拠資料の反訳書の作成では

  • 録音の場所は
  • 録音開始のスイッチを押した時間は
  • 誰と誰が会話を交わしたか
  • 会話者との関係は
  • 会話者の立場は
  • 録音場所
  • 証拠の会話位置までの経過時間は
  • 証拠と主張する会話時間の単位表記
  • 証拠と主張する会話の行番号表記
  • 思い込み、創造、創作でない表記
  • 逐語文字化表記
  • 公用文,行政文書用語法に準拠表記

又,民法では 第144条では
「 録音テープ等を反訳した文書を提出して書証の申出をした当事者は,相手方がその録音テー等の複製物の交付を求めたときは,相手方にこれを交付しなければならない。」
したがって,証拠資料の作成依頼では「証拠資料が三冊・音源三品」が納品されます。

又,第148条では
「写真又は録音テープ等の証拠調べの申出をするときは,その証拠説明書において,撮影、録音,録画等の対象並びにその日時及び場所をも明らかにしなければならない。」

 

 

※下の画像をクリックして拡大画像をご覧ください。

公用文書式反訳書

 

※ 裁判で裁判所に提出する各書類に付いて平成13年1月1日から日本工業規格のA4判用紙を使用、様式/書式が以下

※【様式/書式】

  • 用紙は、A4版横書き片面。(A3判袋とじ不可)
  • 文字のサイズは12ポイント固定。
  • 一行の文字数は37字で,12.65pt
  • 一頁の行数は26行で,25.25pt
  • 余白の上端は35㎜
  • 下端は27㎜
  • 左側は30㎜
  • 右端は15~20㎜
  • 左端の30㎜綴じしろ2箇所をステープラーかホチキスで止める。
  • 上端は印用(証拠号表示)の余白。と定められた。

※協会フォーマット以下

  • 標題
  • 前文
  • 作成年月日
  • 作成者記名,捺印
  • 主文
  • 音声再生開始時刻の秒単位(0時間0分0秒~)表記
  • 会話者は、職名、肩書き、性別を表記
  • 連続行番号は音声再生経過時間に同期表記
  • 会話の内容は逐語表記
  • 末文
  • 頁番号

 

 

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