✴証拠
利害が激しく対立,裁定を裁判に委ねたとき,裁判所が上位の位置で裁判は起こされ,訴訟になったら当事者の直接交渉はやめ,それぞれが裁判所に事実を申し立てて主張し合います。
そして,争いの基になった事実が「存在するのか?」「存在しないか?」の裁定を受ける為に証拠の提出が必然となります。
そこで,証拠とは,
- 他人が事実だと話した供述(述べた証拠)
- 人以外の物による物証(検証物・文書など、物の存在・形態・状況)
- 事実の存在があるかないかの存否の直接証明(証明を必要とする)
- 他の物を間に置いて物事が行われた間接証拠(間接的に証明する)
- 裁判官や検察官の尋問に事実と答えた供述証拠(事実を述べる)
- 人が話した内容の非供述証拠
など,数々ある証拠の中で音声や動画には当事者が直接話した状況行動が有形力,無形力の情報が混在する重要な証拠情報なのです。
✴録音会話の反訳書
近年,音声や動画情報に含まれる有形,無形(力)の記録情報を反訳し法廷に証拠の資料として提出する件数が増大しています。
それは,電子機器の目覚ましい進歩が大きく関わっています。場所を選ばす,誰でも手軽に放送並みの品質で会話や動画が記録でき,さらに記録された情報を文字に起こす反訳士の反訳技術の進歩が証拠の資料として活かせる時代になりました。
反訳士は裁判反訳が専門です。関係者の直の声で話された真実の会話を精密に文字に起こし,証拠となる会話時刻を秒単位で表記できる技術を保有しています。
さらに大切なこととして,録音,録画で有形,無形(力)情報と同意を得ていない録音環境で記録された識別情報(プライバシー権,名誉毀損)を公用・行政文用語法に準じた反訳書に表記します。
整えられた反訳書は裁定を受ける重要資料の位置づけです。ですから,根拠となる情報を明解に指し示す書類の作成技法は大変に重要なのです。
- 録音録画年月日
- 録音ボタンを押した時間
- 録音停止ボタンを押した時間
- 録音住所地
- 録音場所
- 話者名(職名,立場等)
- 会話内容(逐語反訳)
- 有形,無形(力)などを表記します。
✴タイムライン
膨大な証拠となる会話は,証拠会話時刻のタイムライン「00時,00分,00秒」で証拠とする会話の時間を明確に指し示します。
録音,録画の音声反訳では,記録された会話の時間が約40分程度としますと,約43,000の文字数で,A4用紙で100ページを超える反訳書になります。さらに,会話が刻々と過ぎていきます。それを1秒単位の時刻で証拠の会話を反訳しますと会話の行数は約1,800行にもなるのです。
会話時刻,会話内容,行番号の表記は,裁判で必要となる証拠証明書で大いに役立ち,素早く証拠が確認でき裁判の進行に役立つ反訳書を作成するのが反訳士なのです。
✴反訳と音源の意味
双方が主張する権利や利害を明確に示す重要資料の反訳書と音源は,裁定を下す裁判長・司法委員・主張を代弁する代理人の各位に同一反訳書,同一反訳基音源を一式として提出,審理を仰ぐのが証拠資料の反訳書なのです。
※民法第148条の要約抜粋,
「 写真又は録音テープ等の証拠を提出するとき、録音、録画等の対象で証拠となる日時及び場所を明らかにする。」と有ります。
※したがって,証拠資料の反訳書の作成では
- 録音の場所は
- 録音開始のスイッチを押した時間は
- 誰と誰が会話を交わしたか
- 会話者との関係は
- 会話者の立場は
- 録音場所
- 証拠の会話位置までの経過時間は
- 証拠と主張する会話時間の単位表記
- 証拠と主張する会話の行番号表記
- 思い込み、創造、創作でない表記
- 逐語文字化表記
- 公用文,行政文書用語法に準拠表記
又,民法では 第144条では
「 録音テープ等を反訳した文書を提出して書証の申出をした当事者は,相手方がその録音テー等の複製物の交付を求めたときは,相手方にこれを交付しなければならない。」
したがって,証拠資料の作成依頼では「証拠資料が三冊・音源三品」が納品されます。
又,第148条では
「写真又は録音テープ等の証拠調べの申出をするときは,その証拠説明書において,撮影、録音,録画等の対象並びにその日時及び場所をも明らかにしなければならない。」
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※ 裁判で裁判所に提出する各書類に付いて平成13年1月1日から日本工業規格のA4判用紙を使用、様式/書式が以下
※【様式/書式】
- 用紙は、A4版横書き片面。(A3判袋とじ不可)
- 文字のサイズは12ポイント固定。
- 一行の文字数は37字で,12.65pt
- 一頁の行数は26行で,25.25pt
- 余白の上端は35㎜
- 下端は27㎜
- 左側は30㎜
- 右端は15~20㎜
- 左端の30㎜綴じしろ2箇所をステープラーかホチキスで止める。
- 上端は印用(証拠号表示)の余白。と定められた。
※協会フォーマット以下
- 標題
- 前文
- 作成年月日
- 作成者記名,捺印
- 主文
- 音声再生開始時刻の秒単位(0時間0分0秒~)表記
- 会話者は、職名、肩書き、性別を表記
- 連続行番号は音声再生経過時間に同期表記
- 会話の内容は逐語表記
- 末文
- 頁番号