|反訳書の作成

反訳士協会
反訳書(verbatim transcript)とは、会話や音声に含まれるすべての音、つまり有形の音(言葉)だけでなく、無形の音(咳、ため息、環境音など)まで文字に起こした、証拠としての価値を持つ文書です。反訳協会の書式に作成され、主に法廷で、音声データを法的な証拠として提出する際に必要となります。

Hanyakushi Kyoukai
|反訳書の作成は六何の原則が基本
反訳書は専門の反訳士が「六何の原則」を意識し作成します。以下は作成方法に関するポイントです。
- (いつ): 時間、日付、曜日など、いつ起きたのか
- (どこで): 場所、所在地、状況など、どこで起きたのか
- (誰が): 人物、団体、組織など、誰が関わったのか
- (何を): 事件、事故、出来事、内容など、何が起きたのか
- (なぜ): 理由、原因、動機など、なぜ起きたのか
- (どのように): 方法、手段、状況など、どのように起きたのか
|反訳書の役割
音声証拠は、争いの背景や証言を確認するために重要な役割を果たします。特に裁判所では、音声証拠が真偽を証明するために重要な役割を果たします。
かつてはテープレコーダーなどのアナログな記録媒体が使用されていましたが、現在ではデジタルな録音機器が一般的です。これらのデジタルな録音機器は高音質であり、録音内容を正確に記録できるため、音声証拠として非常に重要です。さらに、スマートフォンなどの普及により、誰でも簡単に音声証拠を収録することが可能となりました。
録音記録機器を使用して収録された会話や音声は、裁判での重要な証拠となります。音声証拠は特に争いが生じた際に、当時の言葉や会話内容を正確に再現できるため、状況の把握や真実の証明に役立ちます。
「百聞は一見にしかず」という諺は、言葉だけで聞いた話では実際の事象を正確に理解することが難しいという考えに基づいています。裁判においては、音声証拠を参照することで証言や主張の信頼性が向上します。音声証拠は、まるで目で見たかのように聞いた内容を再現できるため、相手方の主張に対する信頼性を高める役割を果たします。裁判では、主張された言葉よりも実際の証拠を確認することが重要視されています。
裁判の論争の中で、主張された言葉よりも実際に目で確認することが大切であり、これが「何度も聞くだけではなく、実際に目で(文字に起こした会話や情景)を見ることで、誰もが納得する」という教訓につながっています。
反訳書は、音声データを文字に起こしたものであり、裁判において音声証拠の内容を正確に把握するために重要な役割を果たします。反訳書を作成することで、以下のメリットがあります。
- 視覚的な確認: 音声データを聞き取るだけでなく、文字として確認することで、内容をより正確に理解することができます。
- 証拠としての価値: 反訳書は、裁判において証拠として提出することができます。
- 裁判官の負担軽減: 裁判官は、音声データを直接聞くよりも、反訳書を読む方が短時間で内容を把握することができます。
反訳書は、音声証拠を裁判で有効活用するために不可欠なツールと言えます。
注)民法第148条の要約では「写真又は録音テープ等の証拠を提出するとき,録音,録画等の対象で証拠となる日時及び場所を明らかにします。」とされています。
|証拠を考慮する重要ポイント
-
誰と誰が何を話したか?
・会話の内容や主題を具体的に記録し,関係者がどのような発言をしたかを明確に把握する。 -
会話者らとの関係?
・会話者同士の関係性や立場を特定する。関係が証拠の解釈に与える影響を考慮する。 -
録音,録画した場所?
・発言が録音または録画された場所を特定し,その場所が証拠にどのような影響を与えるかを検討する。 -
録音,録画の年月日は?
・証拠がいつ録音または録画されたかを確認し,時間的な文脈を理解する。 -
録音,録画機器を動作(開始,停止)の時刻?
・録音または録画が始まり,停止した時刻を把握し,証拠の完全性を確認する。 -
会話や会話背景音の記録経過時間?
・会話や背景音の録音がどれくらいの期間にわたるかを確認し,文脈を正確に理解する。 -
思い込み,想像,創作ではないことを証明する不可証明?
・提供された証拠が客観的であることを確認し,主観的な要素が含まれていないことを示す。 -
会話と共に聞こえる有形,無形(力(ちから))の文字表記?
・有形力(物理的な力)や無形力(精神的な力)が証拠に影響を与えている場合,それらを文書化し把握する。
これらの要素を整理し,証拠の信頼性や妥当性を確認することが,法的な論争や裁判での証拠提出において重要です。
注・直接的な身体的な攻撃や暴力行為を指し,例えば,殴る,蹴る,突き,投げるなどの行為を指します。これらの行為は,人に対する不法行為です。
他人に対して不合理または不適切な要求をすることを指します。例えば,仕事上のタスクに対して不合理な期限や負担を強いることが過大要求となります。一方,”過小要求”は,他人に対して適切な要求をしていないことを指します。
例えば,仕事上のタスクを適切な期限やリソースで行うことを要求していない場合が過小要求で,このような要求が事実として証明された場合,裁判や訴訟などの法的手続きにおいて重要です。
|重要ポイント |
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・攻撃行為によって生じた身体的な衝撃(打撃などによる傷)があったかどうかを示します。これは,攻撃行為の激しさや強度を示す重要な証拠となります。 |
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・物理的な威嚇や脅迫の一種です。ペンやボールペンなどを使ってテーブルを叩き続けたり,物を机や壁に叩きつけたりすることは,相手に対する攻撃的な行為や威嚇として解釈されることがあります。 |
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・特定の人を攻撃するために,胸を掴んで恐喝などをするような行為を指し,このような行為は,身体的攻撃の一種であり,相手を恐怖させ,脅迫することを意図しています。 |
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・攻撃行為によって生じた身体的な衝撃(打撃などによる傷)があったかどうかを示し,これは,攻撃行為の激しさや強度を示す重要な証拠となります。 |
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・相手の腕や衣服を強く引っ張ることを意味します。このような行為は相手に対して暴力的なものとされ,ストレスや恐怖を引き起こすことがあります。これは精神的な攻撃の一種とされます。 |
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・近くにいる人に向かって大声で叫ぶことを指します。この行為は,他人を脅迫するようなものであり,精神的なストレスを引き起こすことがあります。 |
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・相手に対して音を大きく出すことで話しかける行為を指します。このような行為は相手に対して強い圧力を与え,ストレスや不快感を引き起こすことがあります。 |
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・目に激しい光を当てて意図的に視力や視覚に攻撃する行為を指します。このような行為は,視力を損なうことや心理的ストレスを引き起こすことがあります。 |
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・棒や刃物を手に持って,周囲を叩くような動作をすることを指します。このような行為は,他の人に対しての恐怖や威嚇を引き起こすことがあり,犯罪になることもあります。 |
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・狭い室内で連続的に大音量で話しかけて,威嚇するということです。このような行為は,相手に対して不快な思いをさせ,恐怖感を与えることができます。これは精神的な攻撃の一種です。 |
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・周囲にある物を手に取って投げたり,蹴ったりすることを指します。このような行為は,相手に対して攻撃的な行為として捉えられることもあります。特に,このような行為が脅威や威嚇を意味するものとして持ち主に向けられる場合は,身体的な攻撃や精神的な攻撃というカテゴリーに分類される場合もあります。 |
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・相手に対して不快な気持ちを与える行為を意味します。このような行為はストレスを引き起こし,不安を与えることがあります。また,特に頻繁に繰り返される場合には,相手の注意を引きつけることができるため,不正な目的を持った人によって使われることもあります。 |
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・精神的攻撃の一種で,このような行為は,被害者に対する不快感やストレスを与えることができ健康に悪影響を与える可能性があります。 |
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・被害者を恐れさせ,怖がらせ,脅迫するもので,これらの行為は,道路交通に関する法律によって厳しく禁止されており,また,これらの行為は,被害者に対して心理的なストレスやトラウマを引き起こす可能性がある行為です。 |
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・隣家の居住者に騒音で精神的ストレスを加えるという事実は,一般的には「騒音ホラー」と呼ばれています。これは,目的によっては故意的に,または無意識的に,隣家の居住者に対して音量の大きな騒音を行うことによって,彼らがストレスを感じ,不快な気分を引き起こすことを指します。このような行為は,他人の権利やプライバシーを侵害することを含みます。 |
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・他人の健康や生命に損害をもたらす行為であり,法的にも問題となることがあります。このような行為は,被害者に対する不信任や攻撃的な意図を示していることが多いです。また,このような行為は,社会的にも非難される行為です。 |
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・不快なにおいを指す言葉です。臭気は,異常なにおいを放出する物質や生物などから発生することがあります。空気中に漂う臭気は,健康に悪影響を与える可能性があるとされています。また,臭気は心理的に不快な状態を引き起こすこともあります。 |
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・物質を伝搬する波動の一種です。音は振動を伝えて空気中を伝播する波動です。音波は人間の耳で聞こえる音を示します。 |
※民法では
第144条
録音テープ等を反訳した文書を提出して書証の申出をした当事者は,相手方がその録音テープ等の複製物の交付を求めたときは相手方にこれを交付しなければならない。
等々,さらに,公用文書式に整えた反訳書では証拠時刻表記は以下(例)となります。
・午前9時から録音を開始した場合は ⇒ 9時00分00秒
・午後4時30分から録音を開始した場合は ⇒ 16時30分00秒
第148条
写真又は録音テープ等の証拠調べの申出をするときは,その証拠説明書において,撮影,録音,録画等の対象並びにその日時及び場所をも明らかにしなければならない。
として,裁判では反訳書三冊と反訳音源三品を一組として原告,被告,裁判所にそれぞれ提出します。
|反訳書の見本/サンプル
最高裁判所は裁判所の事件に関する記録その他の書類(以下「裁判文書」という。)について,平成13年1月1日から,日本工業規格A4判の用紙を使用し,書式を横書き(左とじ)と定めた。
<様式>
・A4版横書きとする(片面のみ使用。A3判の袋とじもしない。)
・文字サイズは12ポイント
・1行文字数は37字
・1ページの行数は26行
・余白は,上端35㎜,下端27㎜,左側30㎜,右端15~20㎜
・左端は,綴じしろ,2箇所でステープラー(ホッチキス)止め,上端は受付印用のスペースとなる。
六何の原則の反訳書

反訳書の見本/サンプル
※校正用反訳書見本/サンプル

校正用反訳書
※反訳書の作成予測時間と納期
録音,録画を基にして反訳が作成された場合の書面情報と反訳時間の概略
| ①
反訳音源 |
②
反訳文字数 |
③
頁数 |
④
行数 |
⑤
校正反訳の提出 |
⑥ 完成日予定納期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 15分 | 16,500文字 | 29頁 | 700行 | 4日目 | 7日目 |
| 30分 | 33,800文字 | 58頁 | 1,420行 | 6日目 | 9日目 |
| 45分 | 51,750文字 | 121頁 | 2,168行 | 8日目 | 11日目 |
| 60分 | 68,500文字 | 158頁 | 2,827行 | 9日目 | 12日目 |
| 1時間15分 | 83,200文字 | 189頁 | 3,420行 | 10日目 | 13日目 |
| 1時間30分 | 79,750文字 | 227頁 | 4,072行 | 11日目 | 14日目 |
| 1時間45分 | 113,600文字 | 260頁 | 4,671行 | 12日目 | 15日目 |
| 2時間 | 128,500文字 | 293頁 | 5,285行 | 15日目 | 18日目 |
| 2時間30分 | 159,000文字 | 367頁 | 6,518行 | 16日目 | 20日目 |
| 3時間 | 200,800文字 | 458頁 | 8,158行 | 17日目 | 23日目 |
※注意…・①,②,③,④,⑤,⑥の記号について
録音会話の速度によりそれぞれの数値に変化が生じます。
さらに,音源のノイズや雑音除去の作業が追加された場合は,完成納期日は変更されます。
- 各種録音機器で録音された音声データの時間とは,
音声データが録音された時間のことです。録音開始から録音終了までの時間のことを指します。この時間は,音声データを聞いている者が時間を把握することができます。録音の時間が長いほど,音声データに含まれる情報も多くなりますが,同時にファイルサイズも大きくなります。 - 音声データから反訳された文字数とは,
音声データを反訳書面に変換する際に生成された文字数のことです。 - 公用文書式の反訳書に整えられた合計の頁数で,納品は反訳書三冊,音源三品とは,
「納品は反訳書三冊,音源三品」ということは,反訳書が三冊分用意され,音声データはCDに焼き付け三品分提供されることです。 - それぞれの会話者が発言した会話の行数
- 依頼者から音源を受取,反訳開始後の校正と反訳書の提示予定日
- 5で校正終了後,再び音声と確認し完成品の納品予定日
※【反訳書の作成依頼はこちらから】
証拠資料の作成では十分な裁判日程を考慮しご依頼下さい。
証拠資料の作成には十分な準備期間が必要です。裁判日程に合わせて,適切な準備をすることが大切です。裁判日程に十分な余裕を持って作成することが望ましいです。
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